【インタビュー】SIAMSOPHIA、30周年ファイナルのTOYOTA ARENA TOKYO公演直前に語る「ここで観ておかないと、この先はない」

SIAMSOPHIAが10月13日(月祝)、東京・お台場に新オープンする大型アリーナTOYOTA ARENA TOKYOにて<2025 SIAMSOPHIA FINAL>を開催する。SIAMSOPHIAは、今年2025年にデビュー30周年を迎えるSOPHIAの松岡充を発起人として、同じく今年デビュー30周年を迎えるSIAM SHADEメンバーの栄喜に声をかけ、かねてから親交があったものの対バン経験はなかった両者の30周年アニバーサリーを合同で祝おうという目的から始まったプロジェクトだ。
このプロジェクトの始動発表は音楽シーンはもとより世間的にもビッグニュースとなり、今年2月9日に開催された大阪城ホール公演<1995 SIAM SOPHIA-G>はチケット完売。公演当日も大きな盛り上がりをみせ、大団円を迎えたかに思われた。しかし、SIAMSOPHIAが再び。しかも、今回の公演は“FINAL”と銘打たれて開催される。
果たしてTOYOTA ARENA TOKYO公演の意図は? 大阪城ホール公演の続編か? はたまた直球の対バン形式か? SOPHIAより松岡充(Vo)、豊田和貴(G)、赤松芳朋(Dr)、都啓一(Key)、SIAM SHADEメンバーの栄喜(Vo)、KAZUMA (Vo, G)、NATCHIN (B)を招いて、現在彼らが考えているすべてを語ってもらった (※この取材は8月初旬に実施したものです。SOPHIAの黒柳能生(B)とSIAM SHADEメンバーの淳士(Dr)は体調不良のため欠席)。

◆ ◆ ◆
■今までの対バンやフェス出演のなかで
■一番楽しかった。最高の1日だった
──まずは2025年2月9日、大阪城ホールで開催した<1995 SIAM SOPHIA-G>の感想から教えてください。
栄喜:後日、ライヴ映像を見たんですけど、あの会場のなかで俺が一番感動してましたよね(一同笑)。
──そう思います(笑)。KAZUMAさんは?
KAZUMA:会場のお客さんがすごく盛り上がってて、楽しそうな顔をしてたのが印象的でしたね。もちろん僕らも栄喜と同じように感動していたんですけど、それ以上にお客さんがいい笑顔をしていたことが一番記憶に残ってる。
NATCHIN:僕ら4人にとって、大阪城ホールは初めての会場で、生のオーケストラと一緒にやるのも初だったので、すごく刺激的でした。松ちゃん(松岡充)が考えてくれたイベント構成も僕らにとっては斬新だったし、ずっと楽しめましたね。特にドラムセットにみんなで乗った場面は、映像を二回も見直したぐらい面白かったし。本当はやるまで不安もあったんですけど、とにかく楽しめた1日でした。
赤松:僕も、今までやったライブのなかで一番自由で華やかだったと思う。一応リハーサルで、“こうでこうで”って段取りを決めてたのに、本番ではみんなが全然違うことをやるんですよ(笑)。メンバーシャッフルによるSOPHI SHADEとSIAM SOPHIAがあったじゃないですか。ウチらはSIAM SOPHIA [栄喜(Vo)、豊田(G)、NATCHIN(B)、赤松(Dr) 、都(Key)]だったんですけど、SOPHI SHADE [松岡(Vo)、KAZUMA(G, Cho)、RENO(G)、黒柳(B)、淳士(Dr)、都(Key)]のステージで、いきなり栄喜くんが走り出したり…“どこいくの!? ”って感じでしたよね(笑)。


──栄喜さんのあの煽りで、客席はさらにヒートアップしましたからね。
栄喜:あれは松ちゃんから、“自由という名の司令”がちゃんと僕のところに届いてたんで。その指示通りに動いただけです(笑)。
豊田:演ってる側はただただひたすら楽しかったです。ステージ上もそうですし、バックヤードでも居酒屋にいるんじゃないか?ってくらい全員でずっとしゃべってたんですよ。今まで対バンとかフェスとかでいろんなミュージシャンと関わってきたんですけど、蓋を開けてみたら、そのなかで一番楽しかったですね。会場のピースフルな雰囲気を含めて、最高な1日になりました。
都:<SIAM SOPHIA>という名前のイベントで、僕も含めてお客さんたちも最初は、“何するのかな?”って感じだったと思うんです。そこで、いきなりメンバーシャッフルのステージをやったりしたもんだから、お客さんの反応がすごかった。「楽しかった」という生の声をたくさん聞いたし、こっちもすごくテンションが上がりましたし。本当に幸せな30周年になったと思います。
松岡:ああいうことができる僕らでよかったなと思いますね。長年活動を続けているとバンドが自分の人生になって、生活していく上でバンドが仕事のようになることもあると思うんです。だけど、僕らはガキの頃に“あんな風にカッコよくなりたい”とか“モテたい”とか、そういうシンプルな初期衝動でバンドを始めたわけで。それがたまたま、その後の人生というか、大人になってからもずっと続いている。音楽の喜びをたくさん味わいながら、好きなことで生きていくからこそ、それ以上に苦しむこともいっぱいあった人たちだと思うんです。
──苦楽を経験してきているわけですね。
松岡:でも僕らはもともと、オーディエンスをドキドキさせたいという気持ちだったり、“これをやったらみんなが喜ぶかな?”とか“これやったらみんな立ち上がるかな?”ということを楽しんで考えながら、ずっと音楽やライブやバンドというものに向き合ってきた。それを30年間続けてきたんです。バンドマンとして、本気の遊びを大阪城ホールでできたっていうことがよかったし、今も変わらずこういうことができるっていうのは、とても強い。やりたいと思ったとしても、現実的な問題もあるから。



──30年、バンドが人生になればなるほど収支も考えますよね。
松岡:でも僕らは、“そんなの関係ないやろ”ってところにいけたのがよかった。この日のライブのことも、僕がめちゃくちゃ考えて作ったように思われてるみたいですけど、ノリですから。言うたら(笑)。
──え? カッチリ作り込んだからこそ、あそこまでエンタメ要素盛りだくさんなステージを実現することができたんだろうな思っていたのですが。
栄喜:本番当日のリハーサルのときも、松ちゃんが「これはこうで、ここはこう」「うん、これでいこう!」とか指揮してくれるんだけど、こっちは何をやるとかあまり理解してなくて(笑)。でも、そのどうなるか分からない緊張感が逆によかったんですよね。頭に入りすぎると演じる感じになっちゃうから。
──台本通りみたいな雰囲気になりかねないと。
栄喜:そうそう。ギリギリ怖いかもっていうぐらいがちょうどよかったよね。
全員:うん。
栄喜:でも、ギリギリだからこそ、成功と失敗の狭間みたいなものもあって。例えば、あの日のオープニングシーンは、俺と松ちゃんがにらみ合ったあと、抱き合ったんですね。でも照明が暗すぎて、お客さんには何をやってるか伝わりづらかったという(一同爆笑)。
──たしかに、BARKSに掲載した写真も暗いんです(笑)。
栄喜:ははは。あの日の幕開けを告げる大事な場面なのに、その演出が直前に決まったもんだから、照明さんがついてこれなかったりしたんですけど、俺らはあのシーンで最高に盛り上がった。
NATCHIN:しかも都が、二人のちょうどいいシーンで横切っちゃったんだよね(笑)。
都:そうやったっけ?
NATCHIN:二人が抱き合ってる前を都がブンって横切ったんだよ(一同爆笑)。


──演出かアドリブか、そのギリギリを楽しんでいたようですね。
栄喜:アクシデントでいえば、最後の曲(「黒いブーツ」)で松ちゃんが、タンバリンをガレッジセールのゴリさんに渡すっていう約束事があったらしいんですよ。ところが、本番でいきなり俺に渡してきて(一同笑)。 俺、タンバリン持って歌ったことなんてないから、あれは俺にとって恐怖でしかなかったんです。歌いながら叩くのって難しいんだよね。だから、いつタンバリン渡されてもいいように、あの後ちょっと練習しましたから(笑)。
──想定外のタンバリンだったんですね。
栄喜:ガレッジセールさんがライブのステージで絡むとか、僕らにとってはそこから想定外ですから、本当にビックリだったんですよ(笑)。ただ、僕たちだけのライブになるとロックに寄り過ぎちゃうじゃないですか。
──サウンドからして、硬派なロックバンドですもんね。
栄喜:だけど、あの日は誰が見ても、いい意味でバラエティーに富んだライブになったと思うので、それが俺らとしても新鮮だった。“俺らもこういうなかにいていいんだな”って思えましたから。
KAZUMA:しかも、これは個人的な話ですけど、夢がひとつ叶いましたからね。ガレッジセールさんの間に僕が入って、“エンジョイプレイ”を一緒に踊るという夢が。
──事前のBARKSインタビューのときも「一緒に踊りたい」とおっしゃってました。
KAZUMA:そう。まず最初に楽屋へ挨拶に行かせていただきまして。僕のほうから「僕、踊りを少しやっていまして、一緒に“エンジョイプレイ”をやらせてもらえませんか?」って根回ししたんです。本番は念願叶って、本当に幸せでした。
NATCHIN:実は僕も芸人さんを仕込んでたんですよ。アインシュタインの稲田さんって、栄喜のモノマネをしているんですね。で、ライブ当日、大阪にいらっしゃるということだったんで、「栄喜に会ってください」って大阪城ホールに誘ったんですよ。そうしたら「実はもうチケットを買ってます」という連絡がきて。
松岡:稲ちゃん、そうだよね。テレビ番組で一緒になったときにSOPHIAのことも「大好きです」と言ってくださってたんですよ。
NATCHIN:そう。稲田さんはSOPHIAもSIAM SHADEも好きなんですよ。当日は「ずっと泣いてた」と言ってたので、「次回の10月はこちらから招待させてください」とお伝えしたんです。
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